柴犬ですけど…。 その五
ついにその日はやってきました。お散歩デビュー。
この日のために買い揃えた新しい首輪とリードをつけて奥さんと三人でさっそうと我が家の玄関を後にしてすたすたすたっと…ずるずる…えっと、何か重いのですけど…。
飛鳥が歩きません。
私に引きずられながら進んでいます。
奥さんが思わず抱きかかえます。
犬を抱いた人間とそこから繋がっているリードを持った人間が歩いている変な構図です。
奥さんと二人で目を合わせてどうしていいやら途方に暮れて、尻尾をピンと立てて歩く柴犬を予想していたのですがそこにいるのは奥さんに抱かれて震えている小さな子犬でした。
つづく