黒柴「桃」 その参。
−戦い−
桃がうちに来て一週間、奥さんからメールが来ました。
「あかん。もう耐えられへん。返そう。」
自称お世話係と申しておりますが、仕事を持っている私は休みの日に飛鳥と遊ぶだけ、実際の犬の世話は奥さんの担当。
ゲージでしかトイレをしない桃は、いまだにウンチまみれ。
それで奥さんがついに音を上げたのです。
「もう少しだけがんばろう。」と言って私はその日から仕事から帰ると桃と散歩。ゲージも裏庭においてトイレの躾ができるまでは外飼いに切り替えました。
3月に夜はまだ寒く「そんな仔もういらん。」と言っていた奥さんがゲージに湯たんぽを入れてくれていました。
毎日ただ歩くだけの散歩を続けて一週間たったころ匂いを嗅ぎまくっていた桃がついにそのときを迎えました。
おしっこをしたのです。
「よーし。偉いっ。」と思わず声が出ました。そのまま家まで跳んで帰って奥さんに報告。「えー、本当。」桃をつれて二人でその場所を見に行きました。
ちょうど季節も春を迎える頃、我が家も暗い冬を終えて春が来たようでした。
その後桃はトイレの躾を完全にマスターして室内犬デビュー。
でも、桃との戦いは終わっていませんでした。
つづく