ネバーギブアップ。

 決してあきらめたわけではありません。
むしろその逆です。

 ただ、外科手術で患部が取り除けなかっただけの事です。
私だけでなく主治医の先生も当の本人の桃も負けていません。

 これからは私の出番です。
桃に栄養が有って食べやすくて美味しい食事を摂らせねばなりません。

 私の仕事は調理師です。
どんな料理でもお茶の子さいさいです。(表現は古いですな〜。)

 手始めに今夜のメニューは牛レバーのペーストです。
本来なら臭みを消して味付けをしておいしく仕上げますが、桃用には臭みを残して味付けはなしです。

 調理を始めると桃だけではなく飛鳥もスキップしてやってきました。
人間にはちょっと臭いにおいが犬たちにはたまらないのでしょう。

 鍋でしっかり茹で上げたレバーをフードプロセッサーでペーストに仕上げる頃には桃はしっかりとお座りをして出来上がりを待っています。

 桃のためスペシャルは、抗生物質のカプセルを開けて粉をふりかけて化膿止めの錠剤を包丁で細かくみじん切りにして合えてみました。

 いつもは嫌がる薬も、レバーの匂いにごまかされてがつがつと完食です。

 しっかり食べると発病以来続いていた震えもピタリと止まっていい感じです。
今日から旨い犬飯を作り続けるぞ〜。