恐怖劇場。



 飛鳥はいつものように私の横のソファーでくつろいで微睡の中にいました。
私は趣味のカメラの手入れをしながら今夜の満月が出るのを待っていました。

 桃はお気に入りのスツールの上で静かに目を閉じています。


 私が月の様子を見ようと窓を開けて外に気を剥けた瞬間でした。

 その一瞬のすきをついて桃が飛鳥に襲い掛かりました。
すぐに気付いて、飛鳥に馬乗りになった桃のしっぽを持ってゲージの中にポイっと放り込んだのですが、興奮した桃に私は足を噛まれてしまいました。

 騒ぎに気付いた家族がやってきましたが、後の祭り。
もう6歳になって少しはおとなしくなったと思っていたのですが、恐怖の「黒柴 桃」はまだ健在でした。

 この後私にしっかりと叱られた桃はあくる日には家族全員にとても優しかったそうです。

 少しは反省しているのでしょうか?
まだまだ困ったものです。